No.111 2001/10/27
スパムメールを自動的に捨てる方法

 第104回で挙げたスパムメールのうち、「韓国海苔店」というサブジェクトのもの(2000年8月21日受信)と同じ所から、2001年10月22日にまた来ました。1度目は、日本向けのビジネスでがんばっている韓国人に対する好意的な気持ちもややあって、不愉快な気はしなかったのですが、2度目となると気分良くないので、前回述べたスパムメール防御対策に加えました。
 ついでに、今までに受けたスパムメールのうち、おそらく二度と来ないだろう、あるいは、複数回来るものかどうか見てみたいと思ったものを除くすべてについて、拒絶条件を加えました。本文にURLが書かれていればそれを、書かれていなければ差出人アドレスを拒絶条件としてメールサーバに設定しました。
 これが10月25日にさっそく功を奏しました。これまた第104回で挙げていた、「空き巣を即携帯電話へ通報--最新防犯機登場」というサブジェクトのもの(2001年6月2日受信)と同じ所からのメールが拒絶されていたことが、メールサーバのログからわかりました。ふっ、ざまあみろ。

 さて、個人でメールサーバを運用している私がこんな専門的な防御策を紹介したところで、大多数のインターネットユーザーには何の役にも立たないでしょう。そこで今回は、メーラーでスパムメールを自動的に捨てる方法をご紹介しましょう。
 ここでご紹介するのは、私が使っているBecky! Internet Mail(バージョン2)による方法です。ほかのメーラーでも、同等な機能を持つならば同じ方法を使えます。

 Becky!は「フィルタリングマネージャ」という機能を持っています。これを利用すれば、Fromヘッダを条件として、特定の人からのメールを特定のメールフォルダに振り分けたり、Toヘッダを条件として、メーリングリストのメールをその専用のメールフォルダに振り分けたりといったことが自動的にできます。
 その振り分け先のメールフォルダとして、ごみ箱を指定することもできます。ですから、特定の条件で受信メールをごみ箱へ直行させることができます。

 たとえば、本文に「http://www.honyaraka.com」というURLが書かれたスパムメールを今後ごみ箱へ直行させたい場合は、以下のように設定します。
 「ツール」→「フィルタリングマネージャ」をクリックすると、フィルタリングマネージャの設定ウィンドウが現れます。フィルタリングは受信メールと送信済みメールについて設定することができ、最初は「受信」が選択されています(このままでかまいません)。そして、次のように条件を設定します。
 そして「ルールを追加」→「OK」をクリックして完了。
 なお、スパムメールの本文にURLが書かれていなくて、差出人アドレスを条件としたい場合は、「ヘッダ」として「From (差出人)」を選択します。あらかじめそのスパムメールを表示した状態でフィルタリングマネージャを起動していれば、「文字列」のプルダウンメニューに差出人アドレスが現れますから、ワンタッチでそれを選択できます。

 スパムメールに書かれたURLを条件に指定する際には工夫が必要です。たとえば「http://www.honyaraka.com/」であった場合、最後の「/」は条件の文字列に含めない方がよいでしょう。それがなくてもURLとしては有効で、次のスパムメールが「http://www.honyaraka.com」と書いてくるかもしれないからです。
 「http://www.honyaraka.com/deai/dokushin.html」のような形であった場合は判断がやっかいです。その全体を条件とすると、次にスパマーが「http://www.honyaraka.com/deai/furin.html」と書いてきた場合にチェックに引っかかりません。かといって、「http://www.honyaraka.com」を条件とすると、それがまともなプロバイダのアドレスだった場合に、まともなメールもごみ箱へ直行してしまうことがありえます。この場合、「deai」がそのスパマーだけのユーザーディレクトリ名であると推測できるなら、「http://www.honyaraka.com/deai」を条件とするのがよいでしょう。

 ここでご紹介した方法は、メールを受信してからごみ箱へ直行させる方法であって、受信しない方法ではありません。受信のための通信時間はかかってしまいます。ADSLなどの常時接続を使っている場合はともかく、ダイヤルアップ接続を使っている場合は、よけいな通信時間で料金がかさむことに対する怒りはおさまらないでしょう。しかし、メールサーバで迷惑メールを自動削除してくれるサービスがあまり一般的でない現状では、次善の策としてこれがせいぜいです。本文に含まれる文字列の条件でサーバでメールを消してくれるサービスが普及するとよいと思いますが。
 ごみ箱へ自動直行させるこの方法でも、精神衛生上良いというメリットはあります。スパムメールを読んでから怒ってごみ箱へ手動で移す必要がないからです。
 ご参考にどうぞ。



(2001年11月3日追記) 常連さんのn@kkyさんから教えていただきました。Becky!バージョン2では、Altキーを押しながらメールをメールフォルダ(ごみ箱を含む)へ移動すると、そのメールフォルダへの振り分け条件の設定画面が現れます。この方法をとれば、より簡単に設定できます。この方法では、最も新しく設定した条件が最優先の(最初に照合される)条件になります。

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