No.131 2002/07/07
mailtoリンクなんかいらんわ!

 ネットフレンドのn@kkyさんから聞いた話です。
 n@kkyさんは、ホーム(トップ)ページとは別のページにmailtoリンク(メールアドレスへのリンク)を設けておられたのですが、その記述が間違っていたことが、ほかの人から指摘されてわかったそうです。そして、「これは、機械的にメールアドレスを拾われるおそれがないという効果があるのかな」とおっしゃっていました。もちろん、これはn@kkyさんお得意のユーモアなのですが、私は「なるほど!」と思いました。

 mailtoリンクは、次の例のようなHTMLタグで作ります。
<A HREF="mailto:webmaster@gabacho-net.jp">メール</A>
この例では、「メール」という文字がリンクになり、それをクリックすると、「webmaster@gabacho-net.jp」に宛先が設定された送信メールがポップアップします。掲示板への投稿で自分のメールアドレスを書き込んだ時も、表示される記事にはこのようなリンクが入ります。
 スパムメールに利用するために片っ端からウェブをサーチしてメールアドレスを集めるプログラムは、mailtoリンクを探すようになっている可能性が高いと考えられます。なぜなら、mailtoリンクで指定されたメールアドレスは実在する正しいものであることが普通であり、一方、それ以外の部分から拾い出したメールアドレスは、たとえば
ここでメールアドレスを「user@example.jp」と仮定します。
という文章もありうることからわかるように、実在しないものである可能性がより高いからです。
 したがって、自分のメールアドレスをmailリンクで指定しなければ、スパマーにアドレスを拾われる可能性は少なくなると考えられます。

 そこで私は、「メールでのご連絡について」のページ(第113回参照)に記述していたmailtoリンクをやめてしまいました。代わりに、「webmaster@gabacho-net.jp」というメールアドレスをそのままテキストとして表示しました。
 私にメールを送ろうとする人には、表示したメールアドレスをコピー・アンド・ペーストしてもらいます。パソコンを使い慣れた人ならよくご存じのとおり、メールアドレスをドラッグ(マウスの左ボタンを押しながらなぞる)→その部分を右クリックして「コピー」を選択→メーラーの宛先アドレスボックスを右クリック→「貼り付け」を選択という手順で、キーボードを使わずにできます。マウスカーソルの位置決めが多少粗くてもうまくドラッグできるように、<TABLE>タグを使った枠でメールアドレスを囲んであります。
 私にメールを送りたい人には、mailtoリンクを提供するよりも手間をかけさせることになります。しかし、それは「かけさせるのが失礼になるほどの手間」とは思いません。ワンクリックで私にメールを送ることができないのを面倒がる人は、挨拶という礼儀を尽くすのも面倒がる人でしょう。
 ビジネスサイトであれば、顧客(あるいは顧客になる可能性のある人)に極力手間をかけさせない気配りが当然であり、ビジネスチャンスのためとあればどんどんメールをもらおうとするのが当然です。しかし、私のサイトは非営利の趣味のサイトですから、不快なメールを受けるリスクを増やしてまで私にメールを送りやすくする必要はないというのが、私の考えです。メーラーの起動も含めて7〜8回ほどのクリックの手間をかけてまで送ってきてくれたメールこそ、真に私に送る必要のあったメールであり、私にとって受ける価値のあるメールでしょう。

 mailtoリンクは、閲覧者にとっては便利な機能です。しかし、ウェブサイトオーナー(ビジネスサイトは別)にとっては、本当に使う価値のある機能でしょうか?ウェブに掲載したメールアドレスがスパムメールに悪用されてお困りの皆さん、一度再考されてはいかがでしょうか。

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